DEMOは、Design and Engineering Methodology for Organisationsの頭文字をつなげたもの(頭辞語)です。
 企業はひとの活動による相互作用によって目標を達成しようとしている「人間活動システム」であるという立場から、エンタープライズオントロジーとよばれる「ひと」のつながりに注目して、業務活動をとらえることで業務プロセスを見える化し、企業活動の本質(骨格)をX線写真のようにあぶり出すことができる考え方です。
 DEMOでは、企業活動はものを産み出す「生産活動」と、生産活動の実行者と依頼者とがやりとりする「調整活動」の2つからなると考え、企業活動の中で「新たなものを産み出す」本質的な生産活動に注目して、その中の調整活動だけに焦点を当てることで、業務プロセスの全体像をA3用紙1枚程度に表すことができます。
 企業活動の全体像が見えるので、どこから手をつけて業務改革をすればよいかのあたりをつけることができるという利点があります。そのため、改善よりも改革に向いた手法です。
 DEMOを用いた事例については、活動紹介をご覧ください。
 また、DEMOについてより詳しく知りたい方は、以下の参考文献をご覧ください。
 [1] 飯島淳一,『DEMO-企業活動の骨格を可視化するモデリング方法論』, NTT出版, 2014.
 本書は、絶版になりましたが、NTT出版様のご厚意により、PDFにての配布を許諾していただいており、章ごとにダウンロードすることができます。
 まえがき
 第1部 ビジネスプロセスのモデリング
   第1章 ビジネスをプロセスとして見る
   第2章 DEMO概論

 第2部 理論編
   第3章 構成モデル(相互作用モデル)
   第4章 プロセスモデル
   第5章 アクションモデル、ファクトモデル、構成モデル(相互束縛モデル)
   第6章 DEMOによるモデル化の手順

 第3部 実践編
   第7章 As-IsとTo-Beの比較
   第8章 DEMOによる組織間の業務比較
   第9章 業務改善にDEMOをどう活かすか
   第10章 シミュレーションによる業務改善

 付録
  1.赤い庭の小人はいない
  2.用語解説
  3.練習問題の解答と解説

    参考文献
    索引  

 [2] Jan L.G.Dietz, Hans B.F.Mulder, Enterprise Ontology – A Human-Centric Approach to    
    Understanding the Essence of Organisation (2nd ed.), 2024.
 [3] 飯島淳一監訳, 井上英也訳, 『エンタープライズ・オントロジー』, 丸善出版, 2023.
  (2020年に出された[2]の初版の翻訳)
 [4] [3]についてのJan Dietzらによる紹介(英文)
 [4] Jan L.G.Dietz, Enterprise Ontology – Theory and Methodology, Springer, 2006.
  (DEMOとその背景にある理論について述べたもので、[2]の元になったもの)